デジタルコンサルタントの視点

大手コンサルティングファームの現役デジタルコンサルタントの視点

コンサルティングファームでの就職を希望するあなたへ

就職、転職は、結婚のようなもので、縁というのもあるが、相性もある。その時、その瞬間の盛り上がりも重要だが、本質的には、肩の力を抜いた状態で本当に居心地よくお互いがストレスを溜めずに生きて行くことが何よりも大切である。

 

もちろん、多少のストレッチした目標やチャレンジをしていかないと成長はあり得ないのだが、根本的には、そういうのを含め楽しめないと中長期的には辛いだけであろう。

 

今年も新卒採用の時期がやってきたが、 就職を希望する方にささやかながらエールと大切にして欲しい事を話したい。

 

目次

 

 

 

コンサルティングファームで働きたい理由は何か?

まずは、この問いに答える必要がある。

やりたい事は何か?

いや、それがわからない、無いからまずはコンサルで、色々体験して決めたいんです。

 

というのが本音だとは思う。気持ちはわかる。わたしも正直そう思っていた。

そうは言っても、何かはあるはずだ。

もしかしたら、見つけ方、考え方がわからない、考えてもいない。という方もいるのでは無いだろうか。その思考停止に陥ってはならない。

 

では、どうやるか?

絶対にやりたく無い仕事は何か?

これは色々あるのでは無いだろうか。

 

あるいは、コンサルティングファームに全部落ちたら、どこに行く?

コンサルティングファームに入って多数の業界からどこを選ぶ?多数の領域から何を選ぶ?

 

自分に様々な質問を投げかけて、なぜそう思うのか?というところまで考えて見て欲しい。

自己認識をするのは、この人生を決める就職活動の時期は非常に大切だと思うし、逆にいうとそういう事を本気でできるチャンスはそう滅多に無い。

 

また、これを突き詰めて考えられると、面接においても、どこかの本に書いてあるようなとってつけた話ではなく、実感として心のこもった話ができるはずだ。

もしくは、面接対策本に書かれているような話であっても、その裏にある情熱があることで、全体の話や、他の話からの矛盾や、裏づけなどは面接官としてみれば、本気であるのか、どうなのかというのは透けて見えるので、説得力が異なるだろう。

 

コンサルティングファームが欲しい人は誰なのか?

残念ながらこの質問に対する明確な答えは無い。

 

もう何年も採用面接をしているが、基本的に会社としてこういう人を何人とってくださいという明確な指示はない。

 

少し、歴史も含めて背景の話をすると、

そもそもコンサルティング会社を志望してくる学生、中途の方は様々だ。この学部が最適、というのも、このような研究をしていた人が特に欲しいというものもほとんどない。もちろん、MBAホルダーやAIの研究をしていた。というのはアドバンテージにはなるだろう。ただし、そのような方は入社する中での1%にも満たないだろう。

 

中途採用で考えると、10年前までは、非常に閉じた業界で、あまり他業種からは中途で取らなかった。一方で卒業、転職して行く方は、他業種含め非常に広範囲に散らばって行く。早い段階でスキルが身につき、年収も上がる。転職するにはそれ相応の実力とクラスをもって行けるというのがメリットであった。

 

よって、コンサルティングファームに入るなら、新卒で入ることがよしとされた。

しかし、特にこの5年ほどは、変わってきている。

 

端的にいうと、様々な人材を集め始めた。どの会社も業績が伸びており、それは社員数が増大していることを意味するが、市場に人がおらず、また人口減少の影響も出てきており、人の調達に苦労しているというのも背景にはある。

よって、別に新卒で入らなくても、中途で入って行くという手段も現実的になったと感じる。

 

しかし、もし、どこかでコンサルティングファームに入ろうと思っているならば、最初に入ることをお勧めする。

正直、コンサルティングファーム以外での数年の経験は、それほど魅力的ではなく、新卒と同じようなクラスからスタートすることになる。

逆に、コンサルティングファームを経験してから事業会社などに転職する方がはるかに戦力となるだろう。そこは今でも変わらないアドバンテージである。

 

最初の質問に戻る。ファームが欲しい人は誰か?

大切なのは、自身のキャラクターである。どのようなユニークなスキルがあるのか。あるいはWillがあるのか。希少性があるのか。自分にしかできない事をもっているのか。

 

最低限のレベルはある。

しかし、新卒採用にバックグラウンドもコンサルティングのスキルも求めていない。

 

面接官は何を見ているのか?

誰がほしいのか?というのを読めば、自ずと答えがです。

はずであるが、実は面接官毎に答えは異なるのが実態である。よってこの質問にも網羅的な回答をするのは難しい。

これは、正直コンサルティングファームの問題ではあるが、この方法はいいところもあると思っている。

 

どうなっているかというと、

コンサルティングファームの採用面接は、基本的に現場で働くコンサルタントが担当する。そして、明確な定量的な評価基準があるとは言い難い。一定の観点はあるが、正直言って、人それぞれかなり違う。

また、1時間くらいの面接でしっかりと見極め切れるかというと、経験的にも疑わしい。3割くらい運が入ってしまっているだろう。

 

ただし、傾向はある。

 

 

新卒採用においては、ポテンシャルをみる。よって、無理に業務知見やコンサルっぽさを出す必要はないが、(時々、質問に対して、3点あると思います。一つは、、みたいな回答を絶対にする人もいて、それは練習しているのかなぁと思うが、そういうのが大切なわけではない。。)

 

社会人としての最低限の振る舞いに問題ないか、

クライアント前に出していいか、

一緒に仕事をしてみたいか、

将来パートナーまで上り、やっていける可能性があるか、

 

これらが、最低限の足切りラインはここだといえよう。

 

その上でのアピール、独自性、クリエイティブ性は有利に働くと思う。

トンがった人材が欲しいのだ。しかし、非常識な人ではダメだ。

 

これらをアピールするには、ストーリーテリングが重要である。

面接では、とってつけたような、バイトやゼミなどでの経験の話をするが、正直退屈だ。

もう少し、ワクワクするような面白い話を聞きたい。

ここで言う、ワクワクするとは、学生で会社を作りましてね・・・みたいな、希少な経験を聞きたいわけではない。

 

日常にありふれている中での、ずらした視点での考察や、自身が強烈に思いがあることを、情熱を持って話している様などは、心を揺り動かされる。

面接官も人間なので、感動や驚きを受けることで、心を揺り動かされる体験をすると見る目が変わる。

 

そして、この能力は、キャリア全体に渡って非常に重要なものとなるだろう。

クライアントの心を揺り動かす

上司の心を揺り動かす

部下の心を揺り動かす

全てできないとならない。

 

以上参考に就職活動を頑張っていただきたい。

楽しい出会いを期待したい。

 

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