デジタルコンサルタントの視点

大手コンサルティングファームの現役デジタルコンサルタントの視点

真に自動運転が実現された後の未来を考えてみる

自動運転が実現されたらどうなるか?

 

自動運転による直接的に実現される事

運転手は必要なくなり、移動のエクスペリエンスが大きく変わる。

結果、とても快適になるだろう。

 

タクシー運転手、トラック運転手という職はなくなるだろう。

 

人間が運転しない事で、事故の発生件数も極めて少なくだろう。

 

一方で、倫理的な問題も発生してくる

自動運転手=AIが起こした事故の責任は誰がとるのか、あるいは、事故が避けられない状況においてAIは何を犠牲にするのかという倫理的な観点でのアルゴリズムを搭載する必要があるだろう。

 

自動運転による間接的な影響

自動運転による直接的な影響としては、こういったことが考えられる。

しかし、影響は直接的なものに留まらない。

 

携帯電話の普及で発生した間接的な影響

考えて見てほしい。携帯電話ができて世の中はどうなったか。

いつでも、どこでも電話して待ち合わせする必要が無くなった。

それ以上に間接的な影響として出来る事が増えていった。

例えば、スマホで、ニュースも動画も本も読めるようになった。そして買い物もできるようになった。

新聞や本を買わなくなり、テレビは見なくなった。

本屋やスーパー家電量販店が消えていった

 

では、自動運転で発生する間接的な影響はどんなものがありうるか

少し頭の体操で、間接的かつ連鎖的にどのような影響があるかに思いを巡らせて見たい。

 

自動運転が実現するということは、運転に人件費が必要なくなる。

この意味は、自動車が24時間365日稼働できるという事である。

今なぜ駐車場に止めておく必要があるかというと、運転に人間が必要で、人間は24時間365日稼働できないからである。

自動車は、車庫に車を置いておく必要がなくなり、常に道に車を流しておき、UBER的にマネタイズしていく事が出来る。

自動運転車を保有している人は車庫にはおいておかず、自分が必要な時だけ、予め予約しておき、それ以外は街に自動的にマネタイズしようとするだろう。

 

ただし、現在と同じだけの車保有者が皆車庫におかずに流したら、渋滞問題は深刻になるだろうし、そこまで需要はないだろう。

 

一方で、渋滞問題が多発する場合、渋滞が深刻な道路においては、税金として、通行税が導入、課金され、需要と供給のバランスを整えさせられる可能性は高い。

 

自動運転後の運賃は限界費用まで低減していく可能性は高い。

主な費用は車体の減価償却費と燃料費、保険(AI時代の保険は低くなるだろうが)となる。加えて上記通行税が必要となるかもしれない。

この理由で、ガソリン車よりもEV車が優位だろう。

仮に今のハイブリッド車では、50km/Lとすると、都内の移動は100円/回未満になり得る

 

 

限界費用まで下がると、利用者が飛躍的に増えて行く。

もはや、車を所有する意味合いは低くなり、所有する人は減少するだろう。

 

一方で、自動運転車の移動サービスにおける差別化要素として、移動体験価値が問われるようになるだろう。単なる移動サービスから、その移動する時間の使い方においてより希少な体験をできる車(サービス)が出てくる。

全てがプリウスではなく、ビジネス通勤特化型、長期旅行型、老人向け介護付など様々な要素が盛り込まれる。

もしかしたら、AIではなく、有人運転手が付いているタクシーがプレミアム価値が出てくる可能性もある。

 

自動車会社は、自動車を作る。という業種からこのサービスを提供する。という業種にトランスフォームが求められるだろう。

そこでは、現在盛んに投資しているAIやAnalyticsもさることながら、移動の体験価値、UXデザイン力やコンテンツ制作力が求められることになるだろう。

トヨタとフジテレビやバンダイナムコAvexといった会社が組んで行く日がやってくる。

 

また、自動運転車による移動は鉄道やバスと競合して行く。

こちらも人件費が少なくなるので多少低減はできるが、通勤ラッシュなどのひどい体験を考えると自動運転車を選択する人も多くなるだろう。

 

鉄道やバスから自動運転車にシフトして行くと、駅の価値が減損され得る。

駅は人が集まるために価値が高く、駅前商店、不動産も沿線、駅という概念で発展してきた。ここが大きく塗り替えられる可能性がある。

不動産の今までの価値が大きく変わってしまうというディスラプションが起こり得る。

 

ここまでくると、もはや、disruptionは車業界にとどまらない。

 

一方、チャンスは山ほどあり、グローバル企業との競争でもない。

問題は、それがいつからどのように進むか。であり、不動産においては、沿線や駅でない何の価値、軸となるかを見極める事である。

 

どうだろう?

こんな風に展開するかはわからない。。

一つのシナリオとしてあり得るし、少し時間をさくだけで、いろんな影響が起こり得るという事を考える事ができるのではないだろうか。

 

 

スポンサーサイト

 

 

 

 

businesslife.hatenablog.jp

businesslife.hatenablog.jp

businesslife.hatenablog.jp